ダウ理論とは?トレードでの使い方を徹底解説【実例あり】

ダウ理論とは
チャート分析

ダウ理論とは

ダウ理論とは

ダウ理論って何に使うの?

ダウ理論はざっくりとした相場分析、いわゆる環境認識をするときによく使われます。
具体的には、今の相場が買い優勢なのか、それとも売り優勢なのかといった目線づけを行うことですね。
ダウ理論の内容には6つの原則が含まれていますが、すべてを覚える必要はありません。
最も重要な1つ原則のみを押さえておけば、ダウ理論を使いこなすには十分と考えています。
それは下記の原則です。

「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」

その他の原則は重要度が低いため、本記事の後半で参考として解説します。
興味がある方はご覧ください。
実際のトレードで稼ぐことを優先する方は見なくても大丈夫です。

では、ダウ理論の中で最重要の原則「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」について解説していきます。

ダウ理論の最重要原則「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」とは

トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

以降は、上記の原則を「トレンド継続の原則」と呼んで解説していきます。
この原則は簡単にいうと「トレンドは基本的にずっと続くよ」ということを言っています。
なおダウ理論の場合、トレンドなのかどうかは高値と安値の更新で判断します。
なので、上昇トレンドであれば「高値・安値を切り上げる状態がずっと続いて上昇し続けるよ」ということですね。
トレードとしては押し目買いなどのトレンドフォロー手法で流れについていけばいいのです。
シンプルすぎますがこれでオッケーです。
まずは、トレンドは継続するものだという認識をもちましょう。

次にトレンド継続の原則の但し書き部分について解説します。
原則には「明確な転換シグナルが出るまで」トレンドは続くとあります。
では転換シグナルとはなにを指すのでしょうか。

それは高値・安値の更新が止まることです。

上昇トレンドであれば高値・安値が切り上げがストップし、逆に切り下げ始めたらトレンド転換のシグナルとなります。
つまり「基本的にトレンドは続くけど高値・安値を更新しなくなったらトレンドが終わるかも」ということです。
なのでトレードとしては、高値・安値が切り上げている間は押し目買いをしていき、切り下げ始めたらトレンドが終わるかもしれないので様子見するという感じですね。

もちろん必ずこの理論どおりになるわけではありません。
だからあくまで「原則」です。
相場を分析しやすくするための1つの武器として活用しましょう。
とはいっても相場分析の本質となる理論なので強力な武器なのは間違いありません。
この原則を用いて、複数の時間足を使うマルチタイムフレーム分析を行えば、精度がグッと上がるはずです。
次は実際のトレードでのダウ理論の使い方を具体的に解説していきます。

実際のトレードでのダウ理論の使い方

では実際のトレードでのダウ理論の使い方について説明していきます。
ダウ理論は環境認識からエントリーまで幅広く活用できます。

今の相場が買い目線なのか、それとも売り目線なのか。

この目線づけ、つまり環境認識を行うのにダウ理論は効果的な道具になります。
また、エントリーのトリガーとしても有用です。
細かいプライスアクションを覚えてなくても、ダウ理論という本質を理解しておけばいくらでも応用が効きます。

ダウ理論を使ったトレード手順

ダウ理論を使ったトレード手順は下記のとおりです。

  1. 上位足で環境認識
  2. 基準足で環境認識
  3. 下位足でエントリー

上記はダウ理論にかかわらず一般的なトレード手順です。
それぞれ説明していきます。

上位足で環境認識

上位足で環境認識

まず上位足で大きな相場の流れを把握します。
ここでいう上位足は狙いたい波の1つ上位の波を形成している足になります。
ダウ理論では高値と安値に注目するんでしたね。
なので高値・安値が上昇方向に更新していれば上昇トレンド。
逆に下降方向に更新していれば下降トレンドと判断します。
上下どちらにも更新しない場合はレンジ相場ですね。

なお、下記のような場合はトレンド判断不可として「わからない相場」と判断します。

  • 高値と安値が上下の両方向に更新し、拡散するような値動きになっている
  • 高値と安値の更新が不規則な動きになっている

誰もわからないものをムリにわかろうとするのがトレード失敗の原因です。
よくわからない相場に対しては潔く「わからない相場」と割り切ることが分析をシンプルにするコツです。

基準足で環境認識

基準足で環境認識

上位足で大きな相場の流れを把握したら次は基準足を見ます。
ここでいう基準足とは狙いたい波を形成している足のことです。
環境認識の手順としては上位足の場合と同じで、高値と安値の更新に注目します。
ただし上位足のときと違って、基準足では実際にエントリーする方向を決める目線づけを行います。
なので例えば基準足で上昇トレンドでも、上位足では下降トレンドということもあります。
その場合は、上位足の下降トレンドに巻き込まれないように押し目買いを狙うという形です。

下位足でのエントリー

下位足でのエントリー

エントリーの目線づけを行ったら最後はエントリーです。
ここでも高値と安値に注目するだけでOKです。
基準足と逆方向のトレンドが終わるところを高値・安値で判断します。

ダウ理論を使ったチャート分析の実例

まずはこちらのツイートをご覧ください。

ドル円相場分析
上昇トレンドだが週足の抵抗帯116円ラインで高値更新がストップ。
ラスト安値の113.5円からの押し目買いと攻防、波が小さくなりそう。

ブル:ラスト安値から押し目買い。週足抵抗への壁打ち注意。
ベア:週足抵抗からの反発売り。高値が下がるなど買いの弱さに注目。

このツイートではダウ理論を使ってドル円の相場分析を行っています。
ざっくり解説すると、上昇トレンドだけど上位足の抵抗が近いので反発に注意しながら押し目買いを狙ましょうという分析です。
このようにダウ理論を活用すればチャート分析がシンプルになります。

ダウ理論で環境認識するメリット

ダウ理論を使うメリットは下記のとおりです。

  • 分析がシンプルになる
  • 目線づけができる

相場は複雑に考えた人から負けます。
なのでシンプルに分析できるというのはそれだけで強い武器になり得ます。
また目線づけに迷ってしまうトレーダーは数多くいます。
エントリー前には買うつもりだったのに、実際には売りエントリーしてしまうなどです。
こう言った失敗をなくすには目線づけが重要ですが、そのためにダウ理論は非常に使いやすいです。

参考|ダウ理論をもっと詳しく知りたい方へ

では、ダウ理論をさらに詳しく知りたい方向けに上記で紹介した「トレンド継続の法則」以外についても解説します。
稼ぐことを優先する人は、実際にチャート分析やトレード経験を積む方がいいので飛ばしていただいても大丈夫です。

ダウ理論には下記の6つの法則があります。

  • 平均株価はすべての事象を織り込む
  • トレンドは3種類
  • 長期トレンドは3段階
  • 平均は相互に確認できる
  • トレンドは出来高でも確認できる
  • トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

6つ目はすでに解説済みの「トレンド継続の法則」ですね。
それ以外の5つについて解説します。

平均株価はすべての事象を織り込む

値動きはさまざまな影響を受けますが、これらはすべてチャートに織り込まれますよという法則です。
「織り込む」とはチャートに反映されるということです。
経済指標や政治家の発言、災害や戦争などいろんなことがチャートに影響し、反映されるということです。
また経済指標では発表前に予想値がわかりますよね。
その予想すらもチャートは織り込みます。
なので仮に指標の結果が良かったとしても、予想を下回る内容であればチャートは下がっていまうこともあります。

トレンドは3種類

トレンドには長期・中期・短期の3種類があるという法則です。
それぞれトレンドが継続する期間が異なります。
具体的には下記のとおりです。

  • 長期:1年〜数年
  • 中期:数週間〜1年
  • 短期:数時間〜数週間

こういったイメージだけでも持っておくと、チャートを見る目が変わりそうですね。

トレンドは3段階

トレンドが始まってから終わるまでには3つの段階があるという法則です。
具体的には下記のとおりです。

  • 先行期:トレンドが始まる前に機関投資家などの資金力、情報力のあるトレーダーのポジションが溜まります。
  • 追随期:トレンドが発生し、個人投資家など多くのトレーダーのポジションが集まり、値動きが大きくなります。
  • 利食期:利益を確保した機関投資家などが利食いを行い、トレンドの勢いがなくなっていきます。

基本的に機関投資家など資金力のあるトレーダーに値動きが左右されるので、私たち個人トレーダーはそれに逆らわないようにしなければなりません。
先行期にエントリーするのは難しいので、値幅も大きい追随期を狙うのがおすすめです。
また、いつかは利食期がやってくるので、トレンドが終了する間際にエントリーしないよう注意が必要です。

平均は相互に確認できる

トレンドが発生したとき、関連する指標でも同じようにトレンドが発生していないと信頼しにくいという法則です。
FXでは通貨の強弱で値動きが発生します。
例えばユーロが強いとき、ユーロドルやユーロ円では上昇トレンドが発生しているはずです。
そうなっていなければ信頼しにくいという考え方ですね。

トレンドは出来高でも確認できる

トレンドが発生したときには出来高が多くなっているという法則です。
トレンドということは多くのトレーダーが売り買いしているはずなので、出来高が多くなるはずです。
もしそうなっていなければ、一部のトレーダーが意図的に大きな注文を入れてチャートを動かす、いわゆる騙しを疑った方がいいかもしれません。

まとめ

今回はダウ理論について解説しました。
6つの法則の中でも最重要なのは「トレンド継続の法則」です。

他の法則について知っておいても良いですが参考程度です。
トレーダーとして稼ぐことを優先するなら「トレンド継続の法則」をマスターすることに集中しましょう。
知っていることと使えることは別物です。
必ず実際のチャートを使って練習してくださいね。

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